歯ぎしり・食いしばり
上下の歯をこすり合わせる動きをする歯ぎしりや、上下の歯を強くかみ締める食いしばりは、何かに集中しているときや就寝中など無意識下で起こりやすい症状です。歯ぎしりや食いしばりの自覚症状がなくても、歯がすり減っている場合や破損している場合、歯周組織にダメージがある場合には、就寝中に歯ぎしりや食いしばりをしている可能性がとても高いです。朝起きたときに顎や歯茎に痛みがある方や、家族に就寝中の歯ぎしりを指摘されたことがある方、歯ぎしりや食いしばりの心配がある方はお気軽にご相談ください。
歯ぎしり・食いしばりがもたらす影響
無意識に歯ぎしりや食いしばりが起きている方は、歯自体へのダメージだけでなく、周囲の組織や顎関節、肩や首の筋肉にも大きな負担が生じている可能性があります。
歯の摩耗・破折
歯ぎしりや食いしばりによって上下の歯に摩擦が起きると、歯がすり減ったり、歯に亀裂が生じたり、破折したりしてしまう可能性があります。
咬合性外傷の原因
歯ぎしりや食いしばりによって起きる歯周組織の損傷のことを咬合性外傷といいます。噛んだ時に痛む、歯が揺れる、何もしなくても鈍く痛むなどの症状が生じます。
顎関節症
無意識下で行われる歯ぎしりや食いしばりによってかかる力はとても大きく、顎の関節に多大なダメージを与えます。顎関節への強い負担が原因で、口の開け閉めがしにくくなったり、カクカクと音が鳴ったり、口を開くときに痛みが生じるなどの顎関節症の症状を引き起こすことがあります。
肩こり、頭痛、めまいなど
歯ぎしりや食いしばりによって、顎関節や口腔筋などの関節や筋肉が酷使されることで、肩こりや頭痛、めまいなど全身に影響を及ぼす可能性があります。全身の健康を維持するためにも、歯ぎしりや食いしばりは早めに改善しなくてはいけません。
当院で行う改善方法
マウスピース(ナイトガード)
歯ぎしりや食いしばりの症状を改善するためには、マウスピースを用いた治療方法があります。就寝時などにマウスピース(ナイトガード)を装着することで、歯や顎関節にかかる負担を分散することができます。顎関節や歯への負担の軽減し、歯のすり減りも防ぎます。
噛み合わせの確認
噛み合わせにズレが生じていると、歯にかかる力が不均等になり顎関節や筋肉に大きな負担をかけてしまいます。噛み合わせが悪いと、バランスを保つために骨格自体も歪んでいってしまいます。顔だけでなく全身のバランスが崩れ、さまざまな不調を招いてしまうので、早めに改善する必要があります。むし歯による欠損や被せ物・詰め物の高さの不調などは、治療・調整・作り直しなどを行い改善します。歯全体の噛み合わせの問題や、骨格的な問題がある場合には矯正治療や外科的手術などによる改善方法をご提案させていただく場合もございます。
ボツリヌストキシン製剤療法
当院では、歯ぎしりや食いしばり症状の改善のために、美容治療でも使用されることが多いボツリヌストキシン製剤療法での対応も行っております。ボツリヌストキシン製剤には、お口周りの筋肉の動きを抑え、歯ぎしりや食いしばりによって歯や顎にかかる負担を弱める作用があります。個人差はありますが、1回の注入で4〜6ヶ月ほど効果が持続します。